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【カワゲラ目 Plecoptera】

 カワゲラは日本国内から9科220種ほどが知られており、未記載種を含めばおよそ300種程度が国内に生息するのではないかと思われます。全種例外なく幼虫は水生で、特にほとんどの種が流水環境(河川)に依存する点は水生昆虫の中でも特筆すべき点です。水質の汚濁や酸欠等に耐性をもつものも一部いますが、自然度の高い渓流域を生息地とするものが圧倒的に多数派で、川の水質の良さを担保する川虫です。
 幼虫は小型種は草食~雑食、中~大型種は肉食のものが多く、とりわけオオヤマカワゲラなどの大型種はヤゴやヘビトンボと並ぶ川虫界の頂点捕食者として君臨します。
 成虫は4枚の翅をもっており(翅が退化するものもいます)、翅を有する昆虫としてはカゲロウ・トンボに次いで原始的なグループです。系統的にシロアリやゴキブリに近い仲間なので体のつくりを見ると確かにそれらと共通する部分がありますが、害虫として嫌われがちな彼らと異なり、人間の生活に深く関わってこない生態をしているおかげで世間からのマイナスイメージはありません。ですが、この事実は裏を返せば「人間の生活に深く関わることができない」=「人間が環境を改変すると簡単にいなくなってしまう」ということです。実際に人里近い平地の河川を好むいくつかの種は、農薬や融雪剤等に由来する水質の悪化で減少し続けています。彼らの棲む美しい川の流れが末永く続いてくれるよう願ってやみません。

*** ​以下、各科名のリンクから各科の詳細ページをご覧いただけます ***

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​【完舌下目 Euholognatha】

※旧:ハラジロオナシカワゲラ科

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