An Artless Riverside 川虫館

川虫フォトギャラリー
An Artless Riverside
川虫館
ー Photo Gallery of Japanese Kawa-mushi ー




季節の水辺スライドショー(画像は季節ごとに不定期で更新します)


知られざる、水辺の昆虫たちの世界
【川虫とは…】
山間の渓流、平地の大河、人里近い小川や水路、池、湖、水田…
水辺には、水辺で暮らすことに特化した多種多様な生物たちが暮らしています。
中でも、流水環境=川 に生息する昆虫は広く一般に「川虫」と呼ばれ、
渓流釣りをする人々や一部の自然愛好家に親しまれています。
【スポットライトの当たらない儚い命】
成虫が非常に短命なことで知られるカゲロウをはじめ、川虫の成虫の過半数は
餌をとるための口が退化しており、羽化して数日~十数日程度で死んでしまうものが多くいます。
また、きれいな川に生息する水生昆虫は酸欠や高水温に弱く、
生かしたままで川から持ち帰ったり、いい状態のままで屋内で観察したりすることは難しく、
じっくりと観察するハードルが他の生物よりも高くなっています。
そんな事情もあってか、川虫は生き物に詳しい人からも「難しそう」と敬遠されがちで、
川虫を扱ったウェブサイトや図鑑・書籍の数は他の生き物に比べて少ない現状です。
現存する貴重な(?)図鑑の写真やweb上で閲覧できる画像も、
撮影設備が整っていない野外で撮られたものだったり、
既に死んでしまった液浸標本の姿を撮影した画像だったりします。
私は2018年ごろから本格的に川虫を追いはじめたのですが、
彼らのかっこよさや可愛さ、高い種多様性、興味深い生態を知れば知るほど、
その魅力を伝える媒体が少ないことを非常にもったいなく思ってきました。
そこで本HPでは『生きた川虫の写真』に徹底的にこだわり、
川虫の中でもメジャーな3大グループである
「カゲロウ・カワゲラ・トビケラ」に焦点をあて、
その姿をグループごとに紹介しています。
(川だけでなく、池・沼等の止水域に生息する種も扱っています。)
【川虫から自然を知る】
川虫たちは「川」という身近な生態系を形作るうえでの
主要な構成員であり、水と陸との間の物質循環において大切な役割を担っています。
例えば川底に生える付着藻類(いわゆるコケ)が異常増殖して川から異臭が発生するのを防いだり、
より大きな生き物たち(例えば魚や鳥)の餌になることで食物連鎖を支えたりと、
川虫たちは我々の普段の生活の意識からは遠い場所
(しかし実際には我々の生活圏のすぐそば)で、ひっそりと活躍しています。
川虫がいなくなれば、イワナもヤマメもウナギも川エビも、
我々の食卓に並ぶことはなくなるでしょう。
また、川虫たちは種によって好む環境や水質汚濁への耐性などが
細かく異なっているため、野外調査で得られた種構成・生息数などのデータは
川の環境を分析・評価するための判断材料として有用です。
実際に、環境省は川で観察できる生き物から川の自然の健全度を評価する
『水生生物による水質評価マニュアル』を発行していますし、
大きなダムなどの建設に先立って行うことが義務づけられている環境調査の中には
川虫をメインとした「底生動物」という項目があったりします。
最近では、環境教育の一環として市民参加型の河川生物調査を実施する地方自治体も
全国各地でみられるようになってきました。
川虫を知り、そこから水辺の環境を学ぶ過程には、
生態系の謎を紐解くうえでの重要な学びや発見がたくさんあります。
なので個人的に、川虫は生態学の教科書のようなものだと思っています。
川虫を深く観察することで、複雑で巧妙な水辺の生態系の細部がよりはっきりと
理解できるようになり、身の周りの何気ない自然を見る目が大きく変わるのです。
【管理人の想い】
本ホームページが、川遊びをする子供たちからアマチュアの自然愛好家、
さらには環境調査に携わるプロの方まで幅広い人々の活動の一助になることを願っています。
川虫っておもしろい…!と思う人が一人でも増え、
川虫をとりまく自然環境への興味関心や日常生活の環境意識を
少しだけでも変えるきっかけになれたならば
これ以上の幸せはありません。
*************************************
本HPの画像の無断での転載・複製・改変・再配布を禁じます。
画像を利用する場合には【管理人】ページの連絡先までご一報ください。
©hisame 2025 All rights reserved


