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【カタツムリトビケラ科 Helicopsychidae】
 

​巻貝ような巣をもつ小型のトビケラです。​砂でできた独特の螺旋状の巣と巣の形に合わせた左右非対称な形状の胴体により容易に同定されます。国内には類似する他種は分布しません。


下位分類(国産既知種のリスト)


  カタツムリトビケラ属 Helicopsyche
    ・カタツムリトビケラ Helicopsyche yamadai Iwata, 1927
  (日本産水生昆虫 第二版(川合・谷田 編,2018)に基づく)

​以上、1属1種のみが知られているほか南西諸島に未知の別種がいるとされます。本土産のものに関しても、今後系統地理学的な研究が進展すれば複数種に分かれる可能性があるようです。海外では広い地域から約10属が見つかっています。

 


フォトギャラリー

観察メモ
 ・国内では他に類を見ない、螺旋状の巣を作るトビケラです。非常に小さいため生息地で地道な観察を行わないとなか
  なか発見することができませんが、一度目が慣れると次々と見えるようになるタイプです。
​ ・巣はすべて右巻きで、左巻きのものは知られていません。幼虫の腹部は巣の形にフィットするようにカーブしていま
  す。
 ・蛹化時には巣を岩盤や礫に固着させますが、幼虫時は巣穴から顔を出して巣を引きずるように移動します。実物は未
  観察で動画でしか見たことがないのですが、小さなヤドカリのようでたいへん愛嬌があります。
 ・個人的に、東北地方では本種の生息環境と思われる環境で幾度となく川虫の観察を行っていますが見つけた試しがあ
  りません。過去には新潟県下越地方で左写真の巣を1つだけ拾ったことがあるのみです。どのあたりが分布北限なの
  か、調べてみたいところです。

 

巣のみ

​2018.10.13 新潟県

【 カタツムリトビケラ 】

生息環境:源流・細流 観察した地域:新潟(関東以西の本州では環境さえあれば高確率で生息する普通種というが、東北では見たことがなく、いないか、いてもごく希薄。四国・九州では幼虫のみが記録されている。) 幼虫の特徴:(国産種は1種のみであり、科の特徴として上述したため割愛) 季節性・化性:夏に羽化/1年1化(?)


成虫(未観察)
 
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