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【カワリナガレトビケラ科 Hydrobiosidae
 

​青緑の体色が特徴的な中型のトビケラです。幼虫の外観はナガレトビケラ科の一部種群に似ていますが、前脚の跗節が湾曲した針状に細長く伸びていることで他科と区別されます(肉眼での観察は難しい)。ただし透明感のある青緑の体は国内の他のトビケラにはない特徴であり、野外でもすぐにそれと分かります。日本本土からはツメナガナガレトビケラの一種のみが知られますが、奄美大島から未記載と思われる類似種も見つかっているようです。


下位分類(国産既知種のリスト)


  ツメナガナガレトビケラ属 Apsilochorema
    
・ツメナガナガレトビケラ Apsilochorema sutshanum Martynov, 1934
  (日本産水生昆虫 第二版
(川合・谷田 編,2018)に基づく)

​以上、1属1種のみが知られていますが、奄美大島から未記載と思われる個体が見つかっています。

 


フォトギャラリー

終齢/雌雄不明

​2020.01.19 宮城県

終齢/雌雄不明

​2023.03.07 宮城県

終齢/雌雄不明

​2021.03.04 宮城県

前蛹/雌雄不明

​2024.04.13 宮城県

―――――――――――――――――――――――【 ツメナガナガレトビケラ 】―――――――――――――――――――――――

生息環境:細流・源流・山地渓流 記録済みの地域:青森・岩手・山形・宮城・新潟 幼虫の特徴:透明感のある青緑の体色。前脚跗節の末節は細く、湾曲した針状。 季節性・化性:成虫期は春~秋まで長い/1年1~2化?


観察メモ
 ・胸部は前胸のみがキチン化しており、中胸・後胸は膜質です。
 ・写真では分かりにくいですが、胴体には体の幅ほどの長い感覚毛がまばらに生えています。
 ・エタノールやホルマリンで固定すると数分で体色が白くなってしまいます。透明感のある美しい体色は生時
  限定のものです。
 ・ナガレトビケラ科に近縁とされていますが、成虫は翅の形などがナガレトビケラ科の諸種とは大きく異なり
  ます。

湾曲した針状の前脚跗節


成虫(未観察)
 
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