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国産トビケラ幼虫 各科への検索(ケーストビケラ編)

 

​【ケーストビケラ】※この先、巣と幼虫が揃っている前提で進みます

※トビケラ幼虫検索のトップは【こちら】

 

【細】:頑張れば肉眼でも見えるが、細部であるため

    観察には顕微鏡やルーペがあると好ましい

【顕】:観察には顕微鏡やルーペが必要

黄色の太字:観察が容易で便利、または重要な同定キー

(1)のようでない

(1)・巣材は砂粒で、巻貝の形

    小型(巣の直径5 mm程度 or それ以下)

    ・幼虫は巣形にあわせた左右非対称な体型

(2)・巣の入口には柄がついている(画像)

   (この時点でキタガミトビケラ科確定)

   (採集時にとれることがある)

・巣に柄がない場合、中・後胸のキチン板は画像のように背面で分離している【細】

・胸部下面には画像のような半円の剛毛列がある【顕】

(2)のようでない

巣材は砂礫(無機物)か、

植物質の場合は螺旋状でない

前脚は鎌状で脛節が太い【細】

後脚は中脚より明らかに長いことはない

巣は植物片を螺旋状に配置したもの

(3)のようでない

(3)後胸背面は中胸背面と同形のキチン板に覆われる

    ・きわめて小型(巣・幼虫ともに5 mm以下)

    ・終齢幼虫のみ巣を作り、巣材や巣の形状はさまざま

   (※若齢幼虫はそもそも目にする機会が少ない)

(の、一部の種群)

前脚は鎌状でない【細】

後脚は細く、中脚より明らかに長い

(の、コヒゲナガトビケラ属一部

 とセンカイトビケラ属の全種

腹部末節背面にキチン板がある【細】or【顕】

巣材は植物片

・中~大型以上(終齢時、巣は

 10 mm以上で、中には30 mmを

 超すものもいる)

・前胸腹板に突起がある【顕】

​・腹部第一節に肉質隆起をもつ

腹部末節背面に​キチン板

はない【細】or【顕】

巣材は砂礫

・小型(巣は大きいものでも10 mm

 以下

・前胸腹板に突起がない【顕】

​・腹部第一節に肉質隆起がない

​巣材は植物質でできた柔軟なものでない

巣の入り口の形状は四角

巣材は植物片で、巣が柔軟(外観はやや多様)

・中胸背面はキチン板があり、後胸背面は膜質【細】

腹部第1節側面に肉質隆起(突起 or こぶ)がない

 (場合によっては【細】

体色は緑色を帯びていることがほとんど(生時)

腹部第1節側面に肉質隆起(突起 or こぶ)がある

 (場合によっては【細】

・体色は白~薄黄色

​←

​←

(のうち、約半数ほど。巣が円形の

ものは細部の観察にもつれ込む。

巣材の入り口は四角でない

中・後脚は前脚の長さは前脚の2倍以上

 (場合によっては【細】

・頭・胸部の外骨格は必ずつやがある【細】

後胸背面のキチン板の小片は不明瞭か、

 明瞭でも各小片から剛毛が1本しか生え

 ない【顕】

​・巣材の配置は規則的

・巣材は落葉片や樹皮片だが、巣の後半は

 砂礫で円筒形の場合もある

(巣の入り口が円形のものは

細部の観察にもつれ込む

中・後脚は前脚の長さは前脚の2倍以下

 (場合によっては【細】

・頭・胸部の外骨格はつやがないことが

 多い【細】

後胸背面のキチン板の小片は明瞭で、

 各小片から複数の剛毛が生える【顕】

​・巣材の配置は粗雑

​・巣材に砂礫を用いることはない

(の、キリバネトビケラ属の一部

(4)・巣材は砂礫で、巣の側面に翼石(他の巣材よりも大粒の礫)

     がある(ニンギョウトビケラ属)

​     ※翼石の数や配置は成長段階や種によって異なる

    ・巣に翼石がない場合、胸部背面のキチン板配列は右画像の通り

   【細】(コブニンギョウトビケラ属)

    ・中胸側面は変形し、前方へ突出する【顕】

(4)のようでない

コブニンギョウトビケラ属

(5)のようでない

(6)・巣材は砂礫で、巣は扁平でやや柔軟

     ※まれに巣の側面の砂がとれて円筒の巣に近いものもいる

    ・後脚は前・中脚より明らかに細長い【細】

    ・頭部に逆V字の黒色斑がある【細】

(6)のようでない

(5)・巣材は必ず植物質で、巣は

     ①2枚の落ち葉片を背腹にくっつけたもの

     ②落枝片の芯をくりぬいただけの簡素なもの

​     のいずれか(この時点でアシエダトビケラ科で確定)

    ・上記のようでない場合、上唇の前縁に16本以上の

     毛が横一列に並ぶ【顕】

    ・後脚は前・中脚より明らかに細長い【細】

(7)巣材・巣形は非常に多様

    ・中胸背面はくの字に湾曲した暗色キチン板がある【細】or【顕】

   (この時点でヒゲナガトビケラ科で確定)

    ・中胸背面に上記のようなキチン板がない場合、以下の特徴が重要

    触角は頭部の前縁から生えており、触角が長い(長さは太さの5倍以上)【顕】
    ・後脚は前・中脚より明らかに細長い【細】

    ・後胸の横幅は中胸の横幅の1.5倍以上あるものが多く、それらは液浸標本にすると

     中胸後部が後胸にめり込むように固定される

​←

(7)のようでない。触角は短く、顕微鏡で見ても不明瞭(そもそもどこに触角があるか分からない)なことも多い。

​巣は細長い円筒形で、巣材は幼虫が口から吐く絹糸のみ

​巣材は環境中から調達した砂礫や植物質

巣材は植物質(砂礫が混じることもある)

​巣材は砂礫

・巣材は落葉片・落枝片・樹皮片等で巣形は多様

腹部第1節側面に肉質隆起(突起 or こぶ)がある【細】or【顕】

・中~大型(幼虫は終齢時少なくとも15 mm以上、20 mmを超すものもいる)

後胸背面にキチン板小片:sa1・sa2(画像)がある

・体色は多くの場合、緑色を帯びない

(の、クロツツトビケラ属

(の過半数

巣材は蘚苔類(またはその枯死組織)

腹部第1節側面に肉質隆起(突起 or こぶ)がない【細】or【顕】

小型(最大でも幼虫は10 mm、巣は15 mm程度)

・後胸背面にキチン板小片:sa1・sa2 がない

・体色は緑色を帯びていることが多い(生時)

(の一部

巣の入り口はつぶれた円形(ないしかまぼこ形)で、巣はゆるく湾曲する​。大きいものでも終齢時の巣は10 mm程度。

中胸背面のキチン板は前縁中央がへこまない【顕】

後胸背面に横一列の剛毛が生える(右画像青囲み)、

 あるいは小さなキチン板小片:sa1・sa2がある【顕】

・脚はアツバエグリトビケラ属(下)の2/3程度の長さ

・巣の両側面に翼石(ほかの巣材より大粒の砂礫)はない

巣の断面は真円に近い。

巣は湾曲するものも

​しないものもある。

​大きさは多様。

中胸背面のキチン板は前縁中央がへこむ

 (右画像黄矢印)【細】or【顕】

・後胸背面には剛毛列やキチン板小片がない【細】or【顕】

・脚が長く、歩行時には脚が巣から大きくはみ出て目立つ

・巣の両側面に翼石(ほかの巣材より大粒の砂礫)をつける個体

 が多い。終齢幼虫の巣の後端は切り離されて短いことがある。

(の、アツバエグリトビケラ属

巣材の砂礫は大粒(巣材の粒径の平均は

 巣の入口の直径のおよそ1/6以上)

中~大型(幼虫は終齢時13 mm以上)

(の、ホタルトビケラ属の一部

 とオンダケトビケラ属の各種

後胸背面にキチン板小片:sa1・sa2 がある【細】

・腹部のえらは単一棒状のものから12本以上に分岐する

 ふさ状のものまで多様【細】

・触角は頭部前縁と眼の中間にある【顕】

・巣の内側は絹糸で補強されており頑丈

巣材の砂礫は小粒(巣材

 粒径の平均は巣の入口の直

 径のおよそ1/7以下)

・小~中型(幼虫は大きな

 のでも終齢時10 mm程度)

後胸背面には長方形の薄いキチン板がある【細】

 後胸膜質部が全体的に褐色で後胸全体がキチン化

  するように見えるものもいる

・腹部のえらは必ず複数に分岐し、ふさ状【細】

・触角は頭部前縁にある【顕】

・巣内側の絹糸の補強はなく、巣は折れやすい

(8)のようでない

(9)・中胸背面後方には大きなキチン板から分離した

     細い横長のキチン板がある【顕】

    ・腹端(尾肢の基部周辺)に10本以上の剛毛が放射状

     に生える【顕】

    ・触角は頭部前縁にある【顕】

    後脚は中脚より、中脚は前脚より長い【細】

(9)のようでない

​(8)・巣材の砂は多量の絹糸を用いて環状に美しく

     配置される【細】

    ・前胸を横断する隆起線がある【顕】

​    後脚のみ、前・中脚より明らかに長い【細】

ツノツツトビケラ科(未観察)

腹部第1節側面に肉質隆起(突起 or こぶ)がない(場合によっては【細】

前胸背面のキチン板には横一文字の溝がある【顕】

​・後脚脛節は前・中脚脛節に比べて明らかに細長いことはない【細】or【顕】

​・頭部には明瞭な斑紋がある場合とない場合とがある【細】

​・触角は頭部前縁と眼の中間にある【顕】

 ※触角は顕微鏡下でも分かりづらいことが多い

(の、マルツツトビケラ属の一部

 とハルノマルツツトビケラ

腹部第1節側面に肉質隆起(突起 or こぶ)がある(場合によっては【細】

・前胸背面のキチン板には横一文字の溝がない【顕】

​・後脚脛節は前・中脚脛節に比べて明らかに細長い【細】or【顕】

​・頭部の色彩は単一で、斑紋はない【細】

​・触角は眼のすぐ前方にある【顕】

 ※触角は顕微鏡下でも分かりづらいことが多い

(の一部

日本産水生昆虫 第二版(川合・谷田 編,2018);川虫図鑑 成虫編(丸山・花田 編,2016)をもとに改変

An Artless Riverside 川虫館

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