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【マダラカゲロウ科 Ephemerellidae(2)】
 


下位分類(国産既知種のリスト)

 マダラカゲロウ族 Ephemerellinae【マダラカゲロウ科 Ephemerellidae(1)】で紹介
  トウヨウマダラカゲロウ属 Cincticostella
    ・チェルノバマダラカゲロウ Cincticostella orientalis (Tshernova, 1952)
    ・クロマダラカゲロウ Cincticostella nigra (Ueno, 1928)
    ・オオクママダラカゲロウ Cincticostella elongatula (McLachlan, 1875)
    ・カスタネアマダラカゲロウ Cincticostella levanidovae (Tshernova, 1952)
  トゲマダラカゲロウ属 Drunella
    ・サトトゲマダラカゲロウ Drunella campicola Ishiwata, 2024
    ・フタコブマダラカゲロウ Drunella cryptomeria (Imanishi, 1937)
    ・ムコブトゲマダラカゲロウ Drunella parvicarnivora Ishiwata, 2024
    ・オオマダラカゲロウ Drunella basalis (lmanishi,1937)
    ・ヨシノマダラカゲロウ Drunella ishiyamana Matsumura, 1931
    ・ミツトゲマダラカゲロウ Drunella trispina (Ueno,1928)
    ・エゾミツトゲマダラカゲロウ Drunella triacantha (Tshernova, 1949)
    ・コウノマダラカゲロウ Drunella kohnoi (Allen,1971)
    ・フタマタマダラカゲロウ Drunella sachalinensis (Matsumura, 1931)
  マダラカゲロウ属 Ephemerella
    ・ホソバマダラカゲロウ Ephemerella atagosana Imanishi, 1937
    ・キタマダラカゲロウ Ephemerella aurivillii (Bengtsson, 1908)
    ・キマダラカゲロウ Ephemerella notata Eaton,1887
  シリナガマダラカゲロウ属 Ephacerella
    ・シリナガマダラカゲロウ Ephacerella longicaudata (Ueno, 1928)

 アカマダラカゲロウ族 Hyrtanellini
  ヒメマダラカゲロウ属 Serratella​ (※)
    ・ツノヒメマダラカゲロウ Serratella tuno Jacobus & McCafferty, 2008
    ・イマニシヒメマダラカゲロウ Serratella occiprens Jacobus & McCafferty, 2008
    ・イシワタヒメマダラカゲロウ Serratella ishiwatai (Gose,1985)
    ・クシゲヒメマダラカゲロウ Serratella setigera (Bajkova,1965)

  アカマダラカゲロウ属 Teleganopsis

    ・アカマダラカゲロウ Teleganopsis punctisetae (Matsumura, 1931)
    ・チノマダラカゲロウ
Teleganopsis chinoi (Gose,1980)

  エラブタマダラカゲロウ属 Torleya
    
・エラブタマダラカゲロウ Torleya japonica (Gose,1980)
    ・ヤエヤマエラブタマダラカゲロウ Torleya nepalica Kang & Yang, 1995
​  (日本産水生昆虫 第二版(川合・谷田 編,2018);川虫図鑑 成虫編(丸山・花田 編,2016)に基づく)

​以上、7属25種が知られています。ほかにもツノマダラカゲロウ属・ヒメマダラカゲロウ属にはそれぞれ隠蔽種と思われるものが確認されています。
※ ヒメマダラカゲロウ属は従来マダラカゲロウ属に含まれていましたが、遺伝子解析の結果をうけ別属として独立しました。各種、以前はそれぞれ『ツノマダラカゲウ』、
 『イマニシマダラカゲロウ』、『イシワタマダラカゲロウ』、『クシゲマダラカゲロウ』 の旧称で呼ばれており、2024年現在、文献やweb上では旧称のまま書かれている
  ことが多いです。なおツノヒメマダラカゲロウとイマニシヒメマダラカゲロウに関しては学名もそれぞれ
    Ephemerella cornuta Gose,1980 → Serratella tuno Jacobus & McCafferty, 2008
    Ephemerella imanishii Gose,1980 → Serratella occiprens Jacobus & McCafferty, 2008
  と変更されているので注意です。
(種数が多く、1ページにまとめると1ページあたりの容量上限を超えてしまうため、本HPでは便宜上、マダラカゲロウ族 Ephemerellinaeとアカマダラカゲロウ族 Hyrtanelliniとでそれぞれ別のページを設けています。)


フォトギャラリー

 

アカマダラカゲロウ族 Hyrtanellini -【ヒメマダラカゲロウ属】

終齢/♂

2023.05.21 山形県

終齢/♂

2021.06.07 宮城県

亜終齢/♂

2020.06.10 宮城県

​​​終齢/♀

2021.06.07 宮城県

―――――――――――――――【 ​​ヒメマダラカゲロウ属の一種(イマニシ・イシワタ型種群)】―――――――――――――――

​(詳細不明)

終齢/♀

2022.06.11 宮城県

終齢/♀

2021.06.25 宮城県

終齢/♂

2022.06.11 宮城県

終齢/♂

2024.05.27 宮城県

【 ​​ヒメマダラカゲロウ属の一種(イマニシ・イシワタ型種群)

――――――――【クシゲ​​ヒメマダラカゲロウ】――――――――

​(詳細不明)

生息環境:平地渓流・平地流(まれ) 記録済みの地域:宮城 幼虫の特徴:非常に小型。体背面に目立った突起はない。 季節性・化性:晩春~夏に羽化すると思われるが詳細不明/1年1化



観察メモ(ヒメマダラカゲロウ属
 ・終齢でも5-10 mmほどの小~中型の種群で、テールに明暗の縞模様があるのが特徴です。
 ・体色の濃淡や細かい模様の配置には個体差がありますが、基本的な体斑のパターンは種ごとに決まっており、大きな色彩多型は
  確認されていません。
 ・ステージ後半の幼虫は晩春~夏に集中的に観察され、それ以外の時期は卵ないし極小サイズの幼虫の姿で過ごしていると考えら
  れます。秋~春に目にすることはほとんどありません。
 ・イマニシヒメマダラカゲロウ・イシワタヒメマダラカゲロウ・ツノヒメマダラカゲロウの3種にはそれぞれよく似た未記載種が
  各1種以上はいることが示唆されており、さらなる分類学的な研究が待たれます。本HPでは便宜的に、それぞれ似通った種の小
  集団を「種群」として表記します。頭・胸部の突起サイズや前脚腿節の剛毛の生え方などが種ごとに異なるとされますが、
  2024年現在、私はクシゲヒメマダラカゲロウ以外のものに関しては無理に種レベルまで同定することは控えています。

 

終齢/♀

2024.06.08 宮城県

【 ​​ヒメマダラカゲロウ属の一種(クシゲヒメマダラカゲロウ?)

​(詳細不明)

 

​イマニシ・イシワタ型種群 例①        イマニシ・イシワタ型種群 例②

​頭・前胸・中胸に明瞭な突起

​頭の突起は短く、前胸・中胸の突起

       は痕跡的(こぶ状)

​クシゲ                    ツノ型種群

​体の背面に目立った突起物はない

​頭・前胸・中胸に明瞭な突起があり

​        胸部の突起は細い

ヒメマダラカゲロウ属各種(各種群)の体背面にある突起


【アカマダラカゲロウ属】

終齢/♂

2023.05.21 山形県

終齢/♂

2023.05.21 山形県

終齢/♀

2022.04.23 宮城県

亜終齢/♀

2020.09.04 宮城県

――――――――――――――――――――――――【 アカマダラカゲロウ 】――――――――――――――――――――――――

生息環境:山地渓流(まれ)・平地渓流・平地流 記録済みの地域:岩手・山形・宮城・福島・新潟 幼虫の特徴:細身で小型。胸部は横幅に比べて体高が高い。テールは太短い。 季節性・化性:羽化期は春~秋まで長い/1年1~2化以上で、地域によって成虫発生期や化性が異なる(南東北の平地は1年2化が主)。

アカマダラカゲロウ 擬死

​礫表面にいる幼虫

(下はヒメマダラカゲロウ属の一種)​

観察メモ(アカマダラカゲロウ属
 ・終齢でも5~8 mmほどの小型の種群で、テールは太く短めです。
 ・体色の濃淡には個体差がありますが、基本的な体斑のパターンは決まっており、色彩多型は確認されていません。
 ・成虫期は長く、年間を通してさまざまなサイズの幼虫が観察できます。
 ・刺激を加えると体を丸めて脚をたたみ死んだふりをします。マダラカゲロウ科の中では体高が高く、コロコロとしていて可愛い幼虫です。

 


【エラブタマダラカゲロウ属】

​付着藻類に紛れる幼虫

終齢/♂

2023.05.09 宮城県

終齢/♀

2021.05.12 宮城県

――――――――――――――――――【 エラブタマダラカゲロウ 】――――――――――――――――――

生息環境:平地渓流・平地流 記録済みの地域:宮城・新潟・東京 幼虫の特徴:非常に小型。毛深くずんぐりした体型。腹部第3節のえらが大きい。 季節性・化性:羽化期は春~秋まで長い/1年1~2化以上で、地域によって成虫発生期や化性が異なる(南東北では1年1化で、成虫は夏に出現する)。


観察メモ(エラブタマダラカゲロウ属
 ・終齢でも6-9 mmほどの小型の種群で、テールが短くずんぐりとした体型です。
 ・腹部第3節の楕円形のえらが大きく、後方のえらを覆っているのが特徴です。
 ・体色の濃淡には個体差がありますが、色彩多型は確認されていません。自然下では密生した体毛に泥が付着していることが多く、見事な保護色となっていることが多い
​  です。
 ・マダラカゲロウ科の中では体高が高く、コロコロとしていて可愛い幼虫です。

 

観察メモ(科内全属共通
 ・幼虫の外部形態の雌雄差は顕著ではありませんが、ステージ後期の幼虫では♀が♂よりも大柄です。また、ステージ後半の♂幼虫の複眼は♀幼虫の複眼の1.5-2倍ほどの
  大きさで、羽化が近づくと膨んで目立ちます。
 ・自然下では生涯のほとんどを落葉や礫の裏側などに隠れて過ごすため積極的に泳ぐことはありません。足場のない自由水中に放り込むと体全体を上下にくねらせて移動
  しようとしますが、キマダラカゲロウなどの一部の種を除き遊泳能力は弱いです

​ ・幼虫は夜行性があるものが多く、暗い時間には川底の礫の表面によく出てきて活発に採餌をします

​ ・エタノールやホルマリンで固定すると丸まった姿勢で硬化してしまい、時間が経つと色素が抜けて体色が薄くなり、さらにテールやテールの毛は損傷・脱落しやすくな
  ります。観察は生時または固定直後に行うのがおすすめです。

 


​成虫【準備中…】​

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