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【カワカゲロウ科 Potamanthidae】
 

​中型のカゲロウで、扁平で縦長の体型です。国産のものは、

  ①大顎は頭部前縁より前方に出るが、ツノ状に前方に大きく突出はしない

  ②先端が細かく分岐した羽毛状のえらが腹部各節から左右に伸びている

の2点で他科のカゲロウと容易に識別できます。テールは3本で、テールの左右には細かい毛が列生します。また、外骨格のキチン化が進んでおり、ステージの進んだ幼虫は、触ったりピンセットでつまんだりすると思いのほか頑丈な表皮をもつことが分かります。

ちなみに国産種では顕著ではありませんが、海外にはツノのように発達した大顎をもつ種が少なくありません。


下位分類(国産既知種のリスト)


  カワカゲロウ属 Potamanthus
    ・キイロカワカゲロウ Potamanthus formosus Eaton, 1892
    ・オオカワカゲロウ Potamanthus huoshanensis Wu, 1987
  (日本産水生昆虫 第二版
(川合・谷田 編,2018)に基づく)

​以上1属2種が知られています。なお、オオカワカゲロウは琵琶湖など関西地方で散発的な記録がありますが、2024年時点では情報不足の感が否めません。一般に国内でみられる種はほとんどがキイロカワカゲロウです。ほかにも、2016年時点で未記載種と思われる成虫の記録が1例あるようです。

 


フォトギャラリー

観察メモ
 ・​幼虫の形態に雌雄差はほとんどありません。
 ・自然下ではリタ―の中や礫裏でじっとしていることが多いため積極的に泳ぐことはありませんが、刺激を加えると体全体を上下
  にくねらせて直線的に泳ぎます。

​ ・エタノールやホルマリンで固定するとやや丸まった姿勢で硬化してしまいます。色の変化(退色)は顕著ではありません。

​終齢/雌雄不明

2021.06.07 宮城県

【 キイロカワカゲロウ 】

生息環境:山地渓流(まれ)・平地渓流・平地流 記録済みの地域:岩手・山形・宮城・福島・新潟 幼虫の特徴:腹部各節から羽毛状のえらが左右に伸びる。国内の同属他種は幼虫が報告されておらず、同属他種との識別点は未検証。 季節性・化性:南東北では春~秋まで羽化期が長いが、盛夏に明瞭なピークがある/1年1世代(温暖な地域では2世代?)


​成虫【準備中…】
 

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